【連載】M美はエクスペリアン#03

やっと念願のスマートフォン、ソニー・エリクソンのXperiaを手に入れながら、怒濤の確認事項を確認することで頭がいっぱいになり「あとはDo it yourself！」とバトンを渡されたことに気付くのが遅かったM美です。
「iモードとスマートフォンは違う」と釘を刺されながらも、「基本的にはFOMAみたいなもの」と言われたことが頭にあり、最終的に「以前の機種で加入していたもろもろのサービスはいつでも端末経由で変更できるはず」と、思い込んでいました。
ところがフと我に返ってXperiaを見つめてみれば、当然のことながらiモードもiメニューもありません。でも、不要なサービスの解約などは自分でやってください。と、言い渡されています。ということは、どうやら私はまだiモードの契約を持っている状態のようです。こうしている間にもiモードメールのほうに、わたしの大切な彼が、メールをよこしているかもしれない。そして「なんで返事くれないんだろう」と不思議がっているかもしれない。
付き合い始めて半年。彼からのメールは５分とおかず返信してきたこのわたしです。かなり慌てました。
電話帳をSDカード経由で、自分で読み込む必要がある、ということは事前に姉から訊いていたので、以前FOMAで使っていたカードに連絡先をコピーしたうえでXperiaに移植することはできたのですが、今現在、iモードのメールが来ているかどうかを確認する手段が全く思い浮かびません。
仕方が無いので、彼にはGmailで今メールを返すことができないという連絡だけしておきました。

自宅に戻ってからあらためて契約状態を確認する方法を調べたところ、iモード.net（https://imode.net/cmn/top/）というサービスがあり、それがどうやらスマートフォン用のiモードへの入り口になるらしいということがわかりました。そのアカウントがあればiモードメールをパソコンで確認できるのだそうです。
ホッとしてアカウントを取得しようと試みたところ、手続きの途中で

docomo IDを発行しました。
お手持ちの携帯電話に届くメールをご確認ください。

と出ました。
だ、か、ら。そのiモードメールを見る方法がわかんないのねM美は。しかたがありません。翌日半休を取って購入した量販店に戻り、どうすれば良いのか訊くことにしました。
量販店のカウンターでは「あのー。エクスペ」と途中まで発音しただけで「ショップショップ！」という威勢の良い返事が。電気屋さんでXperiaを購入したスマートフォン初心者は別途キャリアのショップに行って設定を手伝ってもらうなどしたほうが良いとのこと。そういうものかあ、とショップに向います。
ショップでは柳原加奈子によく似たかわいらしい女子のスタッフさんのカウンターに通されました。ああ、これでいろいろなことがクリアになるに違いありません。
私はすがるような目で店員さんにiモード.netにスマートフォンでアカウント登録する方法を知りたいのですがと伝えました。

「え？シムを前の機種に差し替えて前のやつでやってください。できますよ？」

シムって何ですか？中にあるちっちゃいカードです。中ってどこですか？バッテリーの近くです。差し替えて、良いんですか？大丈夫ですよ認識しますよ。はあー。

つまりは、こうです。わたしはどうやらスマートフォンという「電話機能のついたあたらしい電子機器」を買っただけであり、ケータイはケータイで別に使えなくなるわけではないわけですね。もしかしてこんな認識でいるのは花屋の店員のわたしだけなのかもしれませんが、iモードを使いたければ前のFOMAにカードをさせば良い。ということは、まったく想像だにできませんでした。
それにしても人は、そんなにも頻繁に中のカードを抜き差しするものでしょうか。少なくともわたしにとっては面倒です。Xperiaだけでiモードのメールも見たいです。
と、カウンターの女性にうったえかけると、ちょっと考えてから「ちょっときいてみましょう」と言って電話を取りました。スピーカーから

「スマートフォンご相談センターですただいま電話が大変込み合っております。順番におつなぎしますので、今しばらくおまちください。」

という説明がきこえてきます。ですが、いつまでたってもつながりません。女性はきまりがわるそうに「ごめんなさい。じつは私、スマートフォンのこと、それほどよくわからないんです。」と言いました。わたしは、難しいですもんね..。となんとなく同情しました。「でもわたし。Xperiaいつか、欲しいです。かっこいいですよね。使い勝手、どうですか？」とおっしゃるので、うーん、こうして相談にきちゃうくらいだから、ちょっと難しいけど、でも、これからがんばって勉強すれば使いやすくなるかもしれません。と応えました。女性は「わたしもこれからがんばって勉強します！」と言いました。電話は繋がりませんでした。わたしはとにかくFOMAにナントカカードを差し替えてみますね。いろいろありがとう。一緒にがんばりましょう！と言って、ショップをあとにしました。女性は「あまり役にたたなくてごめんなさい」と悲しそうでしたが副店長は詳しいのだということです。

iモードのメールを確認できるようになるのはもう少しです。M美のXperia初期設定の回も、もう少し続きます。



Xperiaはソニー・エリクソンですが、SonyといえばVaio、Vaioといえば2002年のTV-CMで使われたUnderworldのTwo Months Offが記憶に古いですね。この開放感のある曲で初期設定を乗り切りたいです（M美）